ガラスは外の明るい光を室内に採り入れたり、家具の中をきれいに見せたり、現代の生活に無くてはならない大切な物質です。
 しかし、地震や台風などの災害時には時として凶器にもなりかねません。また、犯罪による侵入口としてガラスが破られたりします。
 こうした自然災害や人的災害を最小限にとどめるためにも、ガラスの適材適所を考え建築空間の安全性を高めていくことが必要です。

綱町三井倶楽部(1913)港区三田

地震によるガラス被害

 地震が発生した場合に、まず考えることは自分の身を守ること。室内では、家具や家電品などが倒れてきます。家具にはめ込まれているガラスは、割れて避難通路を素足では通れない状況になってしまいます。屋外では、建物の層間変異による破損や飛来物の衝撃による破損により、ビルの上階から割れたガラスが降ってきます。ガラスとの接触で重大災害となります。

 では、被害を最小限に抑えるにはどうしたらよいでしょうか。割れても飛び散らないことが基本です。 室内は、家具の固定が基本ですが、固定していても想定以上の揺れが生じた場合に備えて、ガラスには飛散防止フィルムを貼りましょう。万一、ガラスが割れてもフィルムが一時的にガラスが飛散するのを防ぎます。JIS規格にあった50μm以上の厚さのフィルムがいいでしょう。 
 屋外に面した窓ガラスは、合わせガラス(中間膜30mil以上※)を使用することが最も有効な対策です。
 万一割れてもガラス間の中間膜がガラスの飛散を防ぎます。もちろん、中間膜15milの合わせガラスや飛散防止フィルムを貼るのも有効です。

 昭和40年代以前の建物はガラスをサッシに硬化性のパテで押さえている窓があります。サッシとガラスがパテにより一体化しているために、サッシ内に地震の揺れを吸収できるところがありません。大きな地震があるたびにガラスが破損し、道路に落下、重大災害となっています。
 パテ止めのサッシは、サッシとともに交換することがベストですが、飛散防止フィルムを貼ることでも一時的には有効です。やはりJIS規格にあった50μm以上の厚さのフィルムを貼りましょう。

 災害時は破損したガラスの交換にかなりの日数を要する恐れがありますので、しばらくは安全な室内空間を保てるガラスを選定することが必要です。

※30mil:1mil=1/1000インチ=約0.0254ミリ 30mil=約0.76ミリ

台風・突風によるガラス被害

 強風で飛来物が窓ガラスに衝突して破損する。室内、室外問わずガラスの破片が散乱します。また、風圧強度を満たしていないガラスは強風だけで破損してしまいます。

 一般に新築でガラスを取り付ける際には、ガラスの耐風圧強度計算を行い、使用に適したガラスか、厚さかを検討しています。しかし、飛来物の衝撃による破損を想定したガラス選定はしていませんので、万一割れても飛散しない対策、ガラス選びが必要でしょう。

 最も有効なガラスは合わせガラス(中間膜30mil以上)です。地震時と同様に中間膜がガラスの飛散を抑えます。

人体の衝突

 たまに、子どもがマンションの玄関のガラスに飛び込んで大けがをした、という話を聞きます。そこにガラスがあることに気がつかないので衝突するわけですから、かなりの衝撃です。

 人体が建築物のガラスの開口部に衝突することによる重大な衝撃を防止するために(財)日本建築防災協会では「ガラスを用いた開口部の安全設計指針」を定めています。安全設計の必要がある場合は、この指針に従って、設計衝突力の設定やガラスの耐衝撃計算を行い、適切なガラスの選定を行いましょう。
 この指針は、建設省住宅局建築指導課長名で、全国都道府県・市・区等特定行政庁建築主務部長宛(昭和61年5月31日付建設省住指発第116号)及び建築(技術者)関係団体宛(同日付建設省住指発第117号)に通達されています。(平成3年4月改訂版通達)

 ここでの有効なガラスは合わせガラス(中間膜15mil以上)強化ガラスです。
 合わせガラスは、前述の通り割れても飛散しにくいので安全です。強化ガラスは、割れても破片が粒状となり、大きなけがを防ぎます。ただし、割れた場合は一枚全面が粒状の破片となり窓下に脱落してしまいます。

侵入盗

 泥棒はどこから侵入してくるか。一時ピッキングが話題になりましたが、戸建ての住宅の場合、窓ガラスを破り、クレセントをはずして入るケースが最も多いのです。

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 泥棒は人目につくことを極端に嫌います。侵入もできるだけ早くしたいと思います。泥棒が同じところにとどまる時間が5分を超えることを嫌います。
 ガラスを破って入る(打ち破り)には音が出ます。ですから破るまでに時間がかかり、破ると大きな音が発生するガラスを選ぶことが必要です。

 最も有効なガラスは合わせガラス(中間膜30mil以上)です。中間膜の厚さによりグレードが変わります。厚くなれば破る時間がかかりますので有効です。このガラスは「防犯ガラス」といいます。

bouhanmark.jpg 板硝子協会では「ガラスの防犯性能に関する板硝子協会基準」を策定するとともに、この基準に基づいて製造された防犯ガラスに使用する統一マークを定めています。





dorobo_cp.gif 防犯ガラスは、「防犯性能の高い建物部品の開発・普及に関する官民合同会議」の「防犯性能の高い建物部品目録」に掲載され、CPマークが貼付されています。
 万一、被害があったときのためのお見舞い金付きのガラスもあります。


火災

 火災の被害を軽減するには、建築基準法の防火の規定を満足する防火ガラスを使用すること最も効果的です。
 網入りガラスと耐熱強化ガラスなどは、火災による遮炎性能があり、加熱して20分間は、加熱面以外の場所に火災を出さない防火設備などに使用されています。

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 以上、ご安全に・・・